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酔っ払った上役がニヤニヤしながら私のお尻を何度も撫で回しました

私がまだ高校生の頃の話です。

 

勉強が嫌いだった私は、放課後に部活動とアルバイトに勤しみ、毎日クタクタになる程に体を動かしておりました。

アルバイト先は、父親が雇われ店長をやっていたボウリング場だったので、実質家の手伝いをしている感覚でした。

そのアルバイト先での話です。

ボウリング場と言えば娯楽場。

仕事帰りのサラリーマン達が飲み会の後に、後輩上司を引き連れてプレイするなんてざらです。

酔って、スコア画面や弄り方が解らなくなった方の対処や、注文したビールを溢したお客の処理だけではなく…

ナンパをしてくる人、体に触れてくる人、抱きついてくる人もおり、それはもう様々なセクハラを受けてきました。

 

当時の私は、幼い頃から父親のボウリング仲間とよく話をしていたせいか妙に擦れていて、大人に絡まれる事に慣れていた為、少しくらい体を触られた所で何も感じなくなっておりました。

ですが、たった一度だけ、セクハラを受けて泣いてしまった事がありました。

 

それは、ある会社の上役であろう方が来客された時の事でした。

その上役の方は、ボウリング場に来る前にある程度お酒を入れて来たのか、もう既に顔は赤くなっており、目も若干座っておりました。

 

『あーあー…これはきっと何かやるぞ…ビール拭く準備はしておかなきゃ…』

と、そのお客が入っているレーンに気を配りながら業務をこなしておりました。

 

するとゲーム開始後まもなく、注意をしていたそのレーンから、フロントへ呼び出しの電話が。

『○○番レーンですけど、ビール溢しちゃいましたー』

 

やっぱり…といつもの様に片付け道具を用意し、急いでそのレーンに向かうと、案の定上役の周りにビールの海が。

 

『いやーやっちゃったよ、はっはっは、いやー御免ね御免ねー』

『いいえー大丈夫ですよー。シューズが濡れてしまわない様に、こちらのベンチでお休み下さい』と上役を促した後、濡れたフロアに急いでモップをかけました。

掃除だけじゃなく、他にも仕事は溜まっているので急いで掃除をしていると、お尻に鈍い感触が…

 

『おねえちゃん、良いケツしてんねー』

 

と、酔っ払った上役がニヤニヤしながら私のお尻を何度も撫で回しておりました。

周りに居た部下達は、『いやー御免ねお姉さん、許してねあはは』と苦笑い。

 

(あー…またお尻か)

 

運動系の部活に入り、体を動かす事が好きな為に、体が良い感じに引き締まり。

出る所は出るというなかなかに良い体に育ってしまっていたので、胸やお尻を触られる事は慣れていました。

このアルバイト先でも、何度も経験してきた事です。

 

ですが、今回のセクハラは、いつもと違いました。

いつもは触られても笑顔で逃げていたのですが、今回は逃げる前に目撃されてしまいました。

遅出で出勤して来た店長に。

 

人知れず逃げておけば、セクハラされても後々笑い話にする事が出来ます。

ですが今回は見られてしまった為、報告をしなければなりません。

雇われ店長である、『父』に直接、です。

 

掃除道具を片付け、フロントに戻ると、そこに父は居ました。

(あーあ…さっと報告して仕事に戻ろう)

 

『おはようございます店長。いやー、また触られちゃいましたよ』

職場では、親子でも敬語で遣り取りをしますが、基本的にフランクな雰囲気なので、明るく報告をしようと笑顔で近付きました。

 

『良い体ってのも困りものですね!』と続けようとした所。

喉が詰まり、声が出なくなっておりました。

 

無意識の内に、私は涙をボロボロと零しておりました。

 

(え、何で泣いてるんだ私は。やだ何これ何これ)

一瞬パニックに陥り、顔を伏せてしまいました。

 

すると父は、出勤時に持っていたハンドバッグをフロント裏に置き、スタスタとレーンの方に歩いていきました。

『え…まさか…』

 

そのまさかでした。

父は周りに居るお客にも聞こえる様な大きな声で、

 

『マナーを守れない方は、ウチのお客様ではありません。お帰り下さい。』

 

私はその光景を、口をポカーンと開けて見てしまいました。

 

その上役の周りに居た部下達が何度も頭を下げ、上役も大人しくなった為、その場はおさまりましたが…

父は、『あそこの社長には、いつか言ってやろうと思っていたんだ。』

と、鼻の穴を大きく広げ、憤慨しておりました。

どうやら他の子への前科があった模様。

 

余程の事が無い限り、声を荒げない父。

しかも荒げた相手がお客様。

 

私は社会人になった今も、ずっと接客業を続けているのですが…

恐ろしくてお客様にそんな事は言えません…冷や汗ものです。

それを考えると…ちょっと格好良いなと思えてきます。

 

父親にセクハラを報告しなければならなかった屈辱と、申し訳無さと…何とも言えない涙でしたが、父の愛と嫉妬による怒りが幼くて何だか笑えて来て。

そんな事どうでもよくなっていました。

 

会社的には恐ろしいですが…誇りを持てる上司兼父親だなぁと思います。

何も問題が起きなくて良かった…

 

それにしても、無自覚に泣いてしまうなんて…こんな事があるんですね。

今考えると、私も普通の女子高生だったんだなと思えます。いくら大人に慣れていても。

 

私の気恥ずかしい体験談はこれにて終わりです。

 

 

いくら気の強い女性でも、女はいつの時代も強くか弱い生き物なのです。

常に気を配れ、何て事は言えません。

ただ、大切にして欲しい。

自分の大切な物を、乱暴に扱われた時の悲しい気持ちを、覚えていて欲しい。

今は、そう思います。